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200X年の世界から、一人のフリーライターが、彼の身近な生活を報告してくれました。高速な広域ネットワークの普及が、世の中を大きく変えてしまっているようです。

1. 200X年某月某日

全家庭、全職場のワークステーション、テレビ、ファクシミリ、テレビ電話はすべて光ファイバーでB-ISDNと接続されている。もっとも、最近のワークステーションは最初からマルチメディア機能がついているので、これ一台で大抵のことは事足りる。

新聞はワークステーションの階層型閲覧システムを使用して、必要な部分だけを読んでいる。朝刊とか夕刊とかはなくなり、リアルタイムに情報が更新される。証券欄などは見ている最中にも刻々とリアルタイムに値が更新される。当然、新聞代は読んだ部分しかとられない。新聞社の数は一時は全国で10000社以上になったが、競争が激化して5000社程度に収まってきた。

2. 伸び続ける『方信』局

かつての○×政権の規制緩和政策により、放送と通信の区別はなくなり、『方信』という新しい言葉が出来た。テレビ番組は、国内だけでも1万以上ある『方信』局から送られてくる。特に規制がなく、安価なカメラで誰でも『方信』出来るので、こんなにたくさんになったのである。最近では女子高生がブルセラ『方信』でこづかい稼ぎをするなど問題が多発したため、却って規制強化の方向にある。

テレビ番組は『方信』後もいつでも見直すことが出来る。そのため、○曜ロードショーなどの映画番組はなくなり、好きな時に好きな映画を選択して見るようになってきた。そういえば貸しビデオ屋もなくなった。『方信』は双方向可能なので、テレビゲームなどの会話的な処理もすべてテレビで出来るようになっている。テレビはマルチウインドウによって、複数番組を同時に見ることが出来る。画像も高精細度でとてもきれいだ。おかげであつ化粧の某女優は引退に追い込まれてしまった。

3. 賃貸ディスク

職場のワークステーションにはローカルディスクという概念はなくなり、ディスクと言えばリモートディスクのことである。目の前にうるさいものがないので快適だ。最近盛んなのは大手資本による賃貸ディスク業だ。○コムの賃貸ディスクはハード的なデータの破壊が絶対に起こらないことを保証しているので、料金は多少割高だが安心できる。賃貸ディスク業者の信用が増していることもあって、今では企業のデータベースに賃貸ディスクを利用することも多くなっている。

4. 役所の消滅

役所への届出はすべてフォーム入力やメールによっていつでも受け付けられる。会社を休んでわざわざ役所まで出向いていたことを思うと隔世の感がある。今の役所がどうなっているのか、行っていないのでよく分からないが、聞く所によると職員数は50分の1にまで減ってしまったそうだ。それに伴い国や地方自治体の財政赤字もあっけなく解決してしまった。そもそも役人の仕事のほとんどは、データベースとネットワークで置き換え可能で、人が関わらなければならないような仕事はそれほどなかったようだ。

5. 選挙戦の風景

選挙戦はそのほとんどがネットワーク上で行なわれている。選挙が近付くとネットワーク端末上にその旨が表示され、2週間の選挙戦の間、いつでも端末上の操作一つで投票が出来る。投票は何度でもやり直しが可能で、得票状況を見ながら、自由に変更することが出来る。投票画面では過去の各政治家の経歴や公約、各裁判官がどのような判決を下したかの情報がいつでも参照できる。これだけのシステムで、投票率は平均95パーセント以上になり、今までに10人の最高裁判所判事が首を切られた。また選挙に金がかからなくなったので、立候補者数はそれまでの30倍以上になった。

そういえば、憲法にも大幅な変更が行われた。変更点はいくつもあるのだが、一番重要なのは、基本的人権にネットワークアクセスの自由が追加されたことだ。

(この話しはフィクションであり、登場人物および企業はすべて架空のものです。また、200某年に本当にこうなっているかどうかはわかりません。)[1994]

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