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0. この世のはじめ

この世のはじめの時、高天の原にお生まれになった神の御名は、BIOS の神、グラフィックBIOS の神、ハードディスクBIOSの神。この三柱の神は、一人神でいらっしゃって、身をお隠しになった。

次に国がまだ形になっておらず、水に浮かんだ油のようにただよっていた時にお生まれになった神の御名は、MBR の神、次にブートローダーの神。この二柱の神も一人神でいらっしゃって、身をお隠しになった。(以上の五柱の神は別天つ神として、特別に扱われる神である。)

1. 神世七代

次にお生まれになった神の御名は、/kernel の神、次に swap の神。この二柱の神も一人神でいらっしゃって、身をお隠しになった。

次にお生まれになった神の御名は、init の神、次に pageout の神、次に vm の神、次に update の神、次に fork の神、次に exec の神。(以上、/kernel の神以降の神を総称して神世七代と言う。fork の神とexec の神は二神を合わせて一代という数え方である。)

2. 国生み

ここに高天の原の神々は、fork/exec の二柱の神に天の沼矛をお渡しになり、「この漂っている国土を整えて固めよ。」と命令を下された。そこでfork/execの神は、天地の間に架けられた天の浮き橋にお立ちになって、天の沼矛を海にさしおろし、ぐるぐるとかき回された。その時、天の沼矛を引き上げる際に、矛の先から滴った海水が固まって島になった。これがスワップ島である。

fork/exec の神はその島に天下られ、聖なる御柱をお見立てになって子どもをお生みになったが、最初の子どもは不具の子どもであった。二柱の神が、天つ神の元に行って相談されたところ、exec を先に実行したのがよくないとのことであった。そこで再びスワップ島に戻り、今度は先にfork を実行し、その後で exec を実行されたところ、正しく子供がお生まれになった。

3. 神生み

この時お生まれになった神の御名は、getty の神、adjkerntz の神、routed の神、named の神、ntpdate の神、xntpd の神、timed の神、portmap の神、YP の神、rpc の神、mount の神、rwhod の神、kerberos の神、inetd の神、cron の神、lpd の神、sendmail の神、X の神、panic の神。exec の神は、panic の神をお生みになったところでお亡くなりになった。

4. 黄泉国(よみのくに)

fork の神は、亡くなられたexec の神に会いたいとお思いになり、死の国である黄泉国にお入りになった。exec の神は fork の神をお出迎えになり、「いっしょに現世にもどれるように黄泉国の神と交渉してきますが、その間、決して私の姿を見ないようにしてください。」とおっしゃって、御殿の中にお入りになった。

fork の神は待ちきれず、思わず中を覗かれたところ、exec の神は回転している汚れた機械仕掛けの円盤から肉片を拾っては fork の作った魂にはりつけていた。出来上がった肉体はすきまだらけで、まるでつぎはぎだった。

fork の神はその光景が恐ろしくなり、思わず逃げだされたところ、exec の神は「私に恥をかかせましたね!」とおっしゃって、後を追いかけてこられた。fork の神が、黄泉国と現世の境目の門を大きな岩で塞がれたところ、exec の神は、「こんなひどい事をなさるのなら、私はあなたの国で、一日に千個の命をうばってしまいましょう。」とおっしゃった。fork の神は、「あなたがそうされるのなら、私は毎日千個の新たな命を生み出しましょう。」とおっしゃった。

こうして、多くの子が生まれ、死んでいく習いとなったのである。[1998]

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